「日本一」の目標が小さく思えた

「野球のことはお任せします。とにかくやるからには日本一になって、そして世界一をめざすチームにしてほしい。望むところはその一点です」

王貞治氏

2005年1月、ホークスのソフトバンクへの譲渡が正式に決まったとき、新オーナーとなった孫正義さんは、私にそういいました。ふつう野球界の目標は日本一です。でも孫さんは世界一だという。そういわれて、我々がめざしてきた目標がずいぶん小さなものに思えました。

その後、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が開催され、日本代表は初代チャンピオンとなりました。私は監督を務めましたが、世界一をめざすという話は、その前からはっきりいっていたことです。我々のようにプロ野球という狭い世界で生きてきた人間とは、発想する段階のスタート地点が違う。