「ホウレンソウ」は結論から伝えよ

誰もが新人時代、仕事の基本として「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」を徹底するようにと教え込まれただろう。

「ホウレンソウ」は、ビジネスにおいて、上司やチーム内での重要なコミュニケーション方法のひとつ。実際に自分がどう「ホウレンソウ」しているか、まず振り返ってみてほしい。

「上司に『例の件、どうなっている』と聞かれてから報告するのでは、NG。基本は上司に聞かれる前に。これができないと、いつまでも受け身な関係でしかいられません」

コミュニケーションは受け身にならず、主体的にするほどスムーズに進行する。そのためには事前の準備が欠かせない。

「準備をし、率先して報告にいけば、ポイントを整理し論理立てて伝えられる。後で報告しようと準備はしていても、不意に上司に呼ばれて、説明を求められることもある。また、用意がないままエレベーターでばったり会って状況を聞かれれば、慌てて、しどろもどろになってしまうはず。自分のペースで喋れるような態勢を事前に準備し、自ら行うことが大切」

また、戸塚さんは「ポイントを押さえた『念押し型』」で行うことも重要だと語る。

「『私は○○だと考える(結論)。だから○○で進めてよいか(承認)』と念を押して相談すると、上司はイエス・ノーを判断するだけで済む。さらに、意見が違う場合に備えて、結論に至る『仮説』を用意しておけば、上司に説明を求められた際の対応もスムーズになります」

ホウレンソウが遅れれば遅れるほど、上司は不安を募らせる。そのため感情的に催促されることもあるだろう。そうさせないためにも、催促される前の主体的なコミュニケーションが重要となる。そして「結論」「仮説」「承認」の念押し型で行うほど、上下関係に信頼感がプラスされる。さらには、あなた自身のビジネススキル評価が高まることは、ほぼ間違いない。

戸塚隆将(とつか・たかまさ)
慶應義塾大学卒業後、ゴールドマン入社。5年間勤務後、ハーバード経営大学院に私費留学。帰国後、マッキンゼーへ。2007年、シーネクスト・パートナーズを設立、代表取締役に就任。英語プログラム「CLUB900」(www.club900.jp)を主宰。
(Getty Images=写真)
【関連記事】
「報・連・相」ではなく、「相・連・報」でいこう
ホテルマンに学ぶ「Yes,but」コミュニケーション
世界のエリートは“3秒”でペンとノートを取り出す
“これ・それ・あれ”3展開!効率的な話の進め方
有能秘書が見抜く「信用できない人」