アメリカの半植民地だった中南米の小国

アメリカのオバマ大統領とキューバのラウル・カストロ国家評議会議長(初代議長フィデル・カストロの弟)は、2015年1月から両国が国交正常化交渉を開始すると発表した。

米国務省はキューバを「テロ支援国家」に指定しているが、オバマ大統領はこれの見直しをケリー国務長官に指示。キューバの首都ハバナにある米大使館を再開して、渡航や貿易の制限を緩和していくという。キューバ政府もスパイ容疑で拘束していたアメリカ人や国交正常化交渉の合意に先立って約束した政治犯53人を全員釈放、正常化交渉入りの重要なステップをクリアした。もし年内にも国交回復となれば、実に54年ぶりだ。

アメリカとキューバの関係について、おさらいしよう。スペインの植民地だったキューバは、独立戦争を経て1902年に独立する。しかし独立戦争でキューバからスペイン軍を追い払ったのは介入した米軍であり、独立したとはいえキューバ共和国はアメリカの半植民地として内政干渉を受けざるをえなかった。中南米の小国はどこもアメリカのやりたい放題の搾取の対象であり、キューバも同様だったのだ。

第二次大戦後の1959年、革命家チェ・ゲバラとともに、カストロ兄弟らはゲリラ闘争で親米政権を打倒、革命政権を樹立する。貧しい人民の利益を代弁する政府を掲げたカストロ政権は、米国企業の資本を接収し、土地や産業の国有化を進めた。さらに関係が悪化したアメリカに代わって経済協力を申し出た当時のソ連にキューバが急接近したことから、61年にアメリカはキューバとの国交断絶を通告。キューバも社会主義革命を宣言して、両国の対立は決定的なものになった。

翌62年ケネディ大統領の時代にはソ連がキューバに核弾頭を持ち込んで核ミサイル基地を建設していることが明らかになり、米ソ対立が先鋭化して核戦争の危機が生じる(キューバ危機)。

以降、アメリカはキューバとの貿易を全面的に禁止するなどの経済制裁を発動、半世紀以上が経過した今日まで、それが続いてきたのだ。