ただ、相手によっては言い方の工夫も必要でしょう。「あれ、何か印象変わったね。いいことでもあったの?」。こう言ってみてはどうでしょう。あなたがよほど嫌われているのでない限り、悪い意味に解釈されることはありません。
つい先日、ゆくゆく口説いてやろうと思っていた女性があるパーティを欠席したので、「もしキミが来ていたら、キミがいちばんキレイだったのに……」と正直に伝えました。そして、「会えなくて残念だったから、こんど食事でも……?」と誘ったら、喜んでオーケーしてくれました。
もし何度も会う相手なら「きれいだね」だけで押すのはやめて、いろいろな表現の中に「きれいだね」を込めるとさらにいいと思います。自分がボキャ貧だと思ったら努力不足を反省しなくてはいけません。変な恋愛教則本を読んで余計な知識をつけるよりも、良質の文学作品でも読んで、「きれいだね」の表現範囲を広げるための勉強をしておきましょう。ラクしてモテようといったってそうはいきません。知識と美しい言葉を蓄積しておき、ここぞというときに使ってみればいいんです。
また、「きれいだね」に続けて、その人が努力していることを褒めるとなお効果があります。長く日記をつけていることでも、毎夏朝顔を育てていることでも何でもよい。外見だけ褒めていると、褒め言葉を連ねている薄っぺらな男になってしまいますが、内面を褒めると「あなたに興味を持っている」という気持ちが自然に伝わって距離も縮まります。
覆面コラムニスト
フェルディナント・ヤマグチ
本業は半導体のマーケットアナリスト。「日経ビジネスオンライン」で自動車評論「走りながら考える」連載中。著書に『恋愛は投資である』(扶桑社)ほか多数。
フェルディナント・ヤマグチ
本業は半導体のマーケットアナリスト。「日経ビジネスオンライン」で自動車評論「走りながら考える」連載中。著書に『恋愛は投資である』(扶桑社)ほか多数。
(構成=山本信幸)