「なんでもいい」と言ったくせに……

一緒に食事に行くことになり、何を食べたいか聞くと、「なんでもいい」と答える女性は多い。そこで自分の行きたい店に連れていったところ、後から「今日はお寿司って気分じゃなかった」だの、「やっぱりあの店にすればよかったな」などとグズグズ文句を言われた経験はないだろうか。こんなとき男は、「なんでもいいって言ったくせに」と思う。しかし女性には矛盾したことを言っているという自覚はない。

なぜこのようなことが起きるのかというと、女性脳には「論理的に思考しながらも、最終的な決定を下さない」という特性があるからだ。女性は「あれこれ情報を集めて、たくさんの選択肢の中から選ぶのが好き」という習性をもっている。

女性は店に入ってからも、食べたいものをなかなか1つに絞れない。男は何を食べるか、席につく前から決まっている。男性脳には「目的に向かって一直線」という特性があるからだ。

ところが女性はメニューを隅から隅まで見て、やっと決まったと思ったら、隣の人が食べているものが気になりはじめる。そんなとき、男性が見かねて「これがいいよ」「これにしなよ」と決めてあげるのは、親切なようで女性にとってはうれしくない。比較検討するのが楽しいのであって、決めつけられるのはうれしくないのだ。例えば女性は丼ものより幕の内弁当的なものが好きだが、あれも「何から箸をつけようか」迷うのが楽しいからだ。

それに対して何かを決定するとか、白黒はっきりさせるということは男性ホルモンの働きなので、そういうことは女性にとって快感につながらない。つまり「何が食べたい?」と聞かれてすぐに答えるのは、せっかくの選ぶ楽しみを放棄するようでイヤ。でも具体的に食べたいものが決められないので、とりあえず「なんでもいい」という発言になるのだ。