1人の女性の周囲で、不審死が相次ぐ。近年、そんな事件が相次いだ。逮捕された被告たちは、見るからに悪人だとか美人というわけではない。ごく普通に見える女性が、平然と人を殺し続けたのか。精神科医、犯罪心理学者、『後妻業』著者で直木賞作家の3人に話を聞いた。
手を血で汚さず発覚もしにくい方法
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筧千佐子被告の主な結婚・交際歴(写真=共同通信社)
筧千佐子被告の主な結婚・交際歴(写真=共同通信社)
筧千佐子、角田美代子、木嶋佳苗、女性3人の連続殺人容疑が事実ならば、共通しているのは、直木賞作家の黒川博行氏がいうように、自分の手を血で汚さない点だ。青酸化合物の投与、練炭による一酸化炭素中毒、そして殺人教唆である。こうした方法だと事件がなかなか表面化せず、捜査自体も難しいという。
「特に毒殺の場合、検視官が見て事故死として扱ってしまうと、遺体はすぐに火葬されてしまうので証拠が残らない。しかも、東京などの大都市圏以外では、専門家でない医師が遺体を検案する。立件はおろか、犯罪性すら見逃され、闇から闇に葬り去られてしまうことも少なくない」
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