いいものをつくらないと認められない

「社長や役員の最終学歴? わからないですね。どんな番組や映画をつくられた方かはもちろん知っています」

フジテレビジョンの情報制作局情報制作センターにディレクターとして勤務する鈴木麻衣子さん(29)が、筆者の問いに答える。

2008年3月に慶應義塾大学環境情報学部を卒業し、同年4月に入社した。7年目の現在、情報番組『Mr.サンデー』(毎週日曜よる10時生放送)を担当している。50人を超えるスタッフが、その1週間で起きた事件や事故などを、総力を挙げて取材し、制作する。

鈴木さんは、この番組のディレクターの中で最も年齢が若いのだという。ここ半年では、号泣会見をした兵庫県の県会議員などに関して取材してきた。『Mr.サンデー』を担当する前は、『とくダネ!』『ノンストップ!』といった情報番組の制作に関わってきた。いずれの職場でも、学歴のことが話題になることはほとんどなかったようだ。

「今の部署では、担当している番組でいいものをつくっていかないと、認められないですから、学歴は関係ないです。誰がどのような企画や構成を考え、どんな取材をし、番組をつくったかといったことしか意識していません。私の場合、“慶應義塾大学環境情報学部卒”はプロフィールの一文にすぎないのです」

鈴木さんの同期生は、一般職、技術職、アナウンサーなどをあわせると、40人ほど。アナウンサーでは、加藤綾子さんなどがいる。一般職は、番組制作や記者、営業や事業、管理部門として総務、経理、人事や広報などに配属される。

鈴木さんの同期で、一般職の女性は10人ほど。「出身大学は、バラバラですね。特定の大学を中心に採用していたとは思えないです」