参院過半数割れで「もはや死に体同然」(民主党代議士)の菅直人政権。脱力感と苛立ちが、今年も日本を覆っている。

脱力しているのは首相を取材する記者団も同じだ。ある企業の会社員が話す。

「昨年暮れに首相官邸裏の高層タワー最上階の中華料理屋で、たまたま取引先と仕事の打ち合わせをした際、異様な光景を目撃したんです」

この会社員は昨年12月14日の夜、官邸裏の山王パークタワー27階の高級中華料理屋で食事をしたという。

「私が入る前に総理が秘書官と一緒に特別室で食事をしていた。店内にSP(セキュリティポリス)らしき目付きの鋭い男が2人いた。2人とも耳に無線用のイヤホンを入れていました。午後9時前に私たちは中華料理屋を出たが、そのときに見た光景が忘れられません」(会社員)

総理の外出時にはSPのほか、総理動静をウオッチする内閣記者会の記者団(新聞・テレビ・通信社で構成)も同行する。総理が食事するときは、店の前で立ち番しながら、総理が誰かと密会していないか目を光らせるのが仕事だ。

「料理屋を出てギョッとしたのは7~8人のコートを着た男女が店の前のフロアの隅でごろ寝していたことです。自分の腕枕で横たわる者、壁に首をもたれて寝ている者、四つん這いになっている者。いずれも20代と思われる若者で、寝ながら雑談していた人もいました。ボロ雑巾のように転がっていた、という形容がピッタリ。“総理がどうした”とか、話していた者もいました」(会社員)

この男女は内閣記者会所属の首相番記者たちだった。最初は立っていたが、通行人が少ないのを幸い、座り込み、やがて雑魚寝を決め込んだらしい。

この日の総理日程を見ると、午前中に羽田を発ち、硫黄島で遺骨収集作業を視察してとんぼ返り。記者団も同行した。

「朝から強行日程で疲れ果て、つい雑魚寝してしまったのだろうが、人が通る料理屋の前で雑魚寝はやりすぎ。若い記者は電車の中で“うんこ座り”していた世代で、その影響もあるのかな。雑魚寝を見たことはないが、座り込むことは時々あるようだ」(民放キー局政治部幹部)

緊張感のない首相の取材はさぞ退屈だろうが、最低限のマナーはお忘れなく。