データは多いほどいい理由

たとえばフェイスブックの場合、プロフィール欄には「基本データ」として以下のデータを記す項目が用意されている。

<職歴と学歴>仕事上のスキル、大学、高校 <住んだことがあるスポット>居住地と出身地、住んだことがある他の場所 <連絡先と基本データ>連絡先情報(メールのアドレス、携帯電話、ウェブサイト)、基本データ(生年月日、性別、恋愛対象、血液型、言語、宗教・信仰、政治観)、家族と交際ステータス(交際ステータスは、独身、交際中、婚約中、既婚、オープンな関係、複雑な関係、別居、離婚、配偶者と死別、のメニューから1つを選択する) <詳細情報>自己紹介、ペンネームなど他の名前、好きな言葉 <ライフイベント>

フェイスブックは交流サイトだから、自分を売り込むために情報を細かく記す効果はあるだろうが、それにしても多岐にわたっている。もちろんこれらのデータはフェイスブックに参加するための必須事項ではない。オンラインショッピングや団体などの加入手続きになれば、その目的に応じて、メールアドレス、自宅の電話番号、ケータイの電話番号、クレジット番号などが求められる。必須項目には印がついていることが多いが、必須でない項目も多数用意され、それにはこんなことまで必要なのかいぶかるようなものもある。

いずれにしろサービスを提供する側はなるべく多くの個人情報がほしいわけで、データベースの項目は増えるばかりである。

これらのデータは集められた目的以外に使わないと明言しているところも多いが、一方で、あらかじめ他に流用するかもしれないと断っているケースもある。現行の個人情報保護法では、情報の利用目的が変わる場合は改めて本人の同意が必要となっているが、個人データの一部(氏名や住所)を切り離し生年月日を生年だけに限定するなどの「匿名化」処理を行えば、企業は集めた個人情報を他に提供できるようにする同法改正作業が進められている。ビッグデータとしての利用を促進するためである。