『どこでも垂直起動するコツは「集中とリラックス」にあり』
米国から日本へは1人で移動
――ソニー本社のある日本に2週間、米欧にそれぞれ1週間。ハワード・ストリンガー氏の1カ月はきわめて多忙だ。
いまの役職に就いて以来、私は日米欧など世界各地を飛び回っています。その際にどのような日程の組み方をしているのかというと、私のスケジュールは長期的な計画によって決まることがほとんどです。つまり、たいていは特別なイベントをベースに決められているのです。
たとえばヨーロッパでソニー・エリクソンの取締役会があれば、それがまずスケジュールの中心になる。あるいはアメリカで米国ソニーのボードミーティングがあれば、それを入れなければいけない。日本のソニーの取締役会もあります。また、投資家との会合に出席することも大事な仕事ですから、そういう行事を柱にしていくということです。
ほかにも、私がソニーの「顔」として出席しなければならないセレモニーがたくさんあります。とくに、アメリカではこの種の行事が少なくありません。映画の試写会とか、ソニーがスポンサーをしているスポーツのイベントなどです。
ですから、いまではスケジュールのほうが私を支配しているような感じです。以前はソニー以外のいろいろな任務も引き受けていましたが、そのような時間は取れなくなりました。
その中に、なんとか家庭生活を組み入れようとしています。最近は日本で過ごす時間が増えてきましたから、私のほうがイギリスの家族のところへ戻るよりも、家族が私の居場所へやってくるほうが多くなっています。