『どこでも垂直起動するコツは「集中とリラックス」にあり』

米国から日本へは1人で移動

――ソニー本社のある日本に2週間、米欧にそれぞれ1週間。ハワード・ストリンガー氏の1カ月はきわめて多忙だ。
<strong>ソニー会長 ストリンガー<br></strong><em>―Howard Stringer</em><br>1942年、英国ウェールズ生まれ。<br>オックスフォード大学を卒業し、米CBSへ。<br>報道番組の制作、放送部門社長などを経て、97年、ソニー米国法人社長。<br>2005年から現職。
ソニー会長 ストリンガー
―Howard Stringer
1942年、英国ウェールズ生まれ。
オックスフォード大学を卒業し、米CBSへ。
報道番組の制作、放送部門社長などを経て、97年、ソニー米国法人社長。
2005年から現職。

いまの役職に就いて以来、私は日米欧など世界各地を飛び回っています。その際にどのような日程の組み方をしているのかというと、私のスケジュールは長期的な計画によって決まることがほとんどです。つまり、たいていは特別なイベントをベースに決められているのです。

たとえばヨーロッパでソニー・エリクソンの取締役会があれば、それがまずスケジュールの中心になる。あるいはアメリカで米国ソニーのボードミーティングがあれば、それを入れなければいけない。日本のソニーの取締役会もあります。また、投資家との会合に出席することも大事な仕事ですから、そういう行事を柱にしていくということです。

ほかにも、私がソニーの「顔」として出席しなければならないセレモニーがたくさんあります。とくに、アメリカではこの種の行事が少なくありません。映画の試写会とか、ソニーがスポンサーをしているスポーツのイベントなどです。

ですから、いまではスケジュールのほうが私を支配しているような感じです。以前はソニー以外のいろいろな任務も引き受けていましたが、そのような時間は取れなくなりました。

その中に、なんとか家庭生活を組み入れようとしています。最近は日本で過ごす時間が増えてきましたから、私のほうがイギリスの家族のところへ戻るよりも、家族が私の居場所へやってくるほうが多くなっています。