部下にバカにされていないか? 上司の覚えはめでたいか? この業者を信頼しても大丈夫か? 先方の本当の予算はいくらか――。相手の心を読み解くスキルを、世界三大コンサルティングファームで研鑽を積んだトップビジネスマンが公開。「上司・部下篇」「顧客・取引先篇」と、相手別、状況別にお届けする。

◎上司・部下篇「味方をつくる、査定が上がる」賢い対応【2】

自分とライバル、どちらが評価されているか→どちらに多く話しかけているか

柏市長 秋山浩保氏

同期のあいつと自分、そろそろ昇進してもいい頃だ。上司が期待しているのはどちらか? ベイン出身、現柏市長の秋山浩保氏は言う。

「上司からのコミュニケーション量が増えたら、評価されている証拠です。情報分析が鋭いなどの実績があり、信頼されているからこそコンタクトをとるのです」

部下のスキル以外の部分、つまり、上司との相性などは無関係なのだろうか。

「そこは究極の問題。仕事のできる/できない、人柄がいい/悪い、という要素はからみあっている。つい好きな人柄のほうに引っ張られる傾向があるので要注意です。民間企業時代、解任しなければならない役員がいるときは、決断が鈍らないよう、家族の話などは聞かないよう気を付けたりしましたね」(秋山氏)

裏を返せば自分の私的な部分を積極的に上司に話し、情が移るように仕向ける手もあるということか? この点について、インテグラル パートナーの辺見芳弘氏は鋭い視線で語り始めた。

「覚えがめでたい人が昇進している会社は必ずおかしくなります。僕が経営者なら、まさか自分の部下が、好みで部下の昇進を決めていないだろうなとチェックします。昇進させるか否かの判断は、ビジネス上の能力に基づくべきです。気に入られようなどと考えず、ビジネスマンとして重要な能力を蓄積することに専心してください。必ず評価につながります」

能力と成果だけで評価される組織の最たるものといえば、彼らが巣立った外資系コンサルティングファームだ。