雇用状況が良好な地域の「特別な動き」とは

従業者数増加率が2.0%と全国第2位であった愛知県では、製造業と複合サービス事業の従業者数が、例外的に増加した。また、その他サービス業や教育・学習支援業、不動産業の従業者数増加率が全国平均を相当上回ったことも、重要であった。

愛知県に続き、従業者数増加率が1.1%で全国第3位であった東京都では、情報通信業で、医療・福祉を上回る従業者数の増加が見られた。また、教育・学習支援業、不動産業の従業者数増加率も全国平均をかなり上回り、複合サービス事業の従業者数も増加した。飲食店・宿泊業の従業者数減少率が低かった点も注目される。

増加率は0.4%であったとはいえ、やはり従業者数が増加した埼玉県では、情報通信業、教育・学習支援業、不動産業の従業者数増加率の高位、複合サービス業の従業者数の増加、飲食店・宿泊業の従業者数減少率の低位など、東京都と共通する特徴が見られた。埼玉県固有の特徴としては、医療・福祉の従業者数増加率が30%を超えた点をあげることができる。

滋賀県・広島県・奈良県の3県では、01~06年に従業者数が減少したものの、減少率が1%未満にとどまった。滋賀県では、その他サービス業と不動産業の従業者数増加率が、全国平均より相当高かった。また、飲食店・宿泊業と製造業の従業者数減少率も、低位にとどまった。

広島県では、飲食店・宿泊業と複合サービス事業の従業者数が、例外的に増加した。また、その他サービス業、教育・学習支援業、不動産業の従業者数増加率も、全国平均よりかなり高かった。奈良県では、飲食店・宿泊業の従業者数が、例外的に増加した。また、医療・福祉の従業者数増加率も、30%を上回った。