キャンパス移転、学部再編にも積極的

千葉、東京、埼玉、茨城の学校がランキングに出てくるが、これはキャンパスの立地が関係していると見られる。東京理科大には5つのキャンパスがある。神楽坂キャンパス(東京都新宿区)では理学部一部の応用物理を除く5学科、工学部の工業化学と経営工の2学科、理学部二部と工学部二部が学ぶ。

昨年、新設された葛飾キャンパス(東京都葛飾区)では理学部応用物理学科、工学部一部の建築、電気工、機械工の3学科、基礎工学部の2~4年生が学んでいる。野田キャンパス(千葉県野田市)では薬、理工の2学部、長万部キャンパス(北海道山越郡)では基礎工学部の1年生、久喜キャンパス(埼玉県久喜市)では経営学部が学んでいる。

千葉、埼玉にキャンパスがあり、またその隣接地にもキャンパスがあり、東京はもちろんのこと、埼玉、千葉、茨城からも通いやすいことがランキングに表れている。逆に、神奈川からは通いにくいこともあって、上位に出てこない。

また、改革にも積極的に取り組んでいる。2016年にキャンパス移転を含めた学部再編を構想中だ。工学部の一部と二部を工学部に改組し、経営工学科を葛飾キャンパスに移転し情報工学科に改組を構想中だ。さらに経営学部を神楽坂キャンパスに移転し、経営320人、ビジネスエコノミクス160人の2学科にし、入学定員を現行の240人から倍増する再編を構想している。

東京理科大は首都圏の難関大の中では比較的地方からの合格者が多い。ランキングでも12位に愛知の東海が入っている。これは全学部でセンター試験利用入試を実施していることが理由だろう。早稲田大や慶應義塾大の理工系はセンター利用入試を実施していないため、国立大の併願校として狙われている。そのセンターの成績だけで合否が決まるA方式だけのランキングを見てみよう。トップは土浦第一で、次いで豊島岡女子学園、高崎と続く。それ以下では新潟、仙台第二(宮城)、昭和薬科大付(沖縄)など、地方からの合格者が多いことが分かろう。

(宇佐見利明=撮影)
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