LINEこそ「仕事向き」だ!

LINE愛好派は矢島さんのような若者だけではない。三越伊勢丹ホールディングス経営戦略本部マーケット・開発部新規事業担当長の柴田廣次さん(53歳)もその一人だ。

「僕はLINEこそ、仕事に向いていると思うんです。グループをつくれば特定の人たちと、素早く緊密な情報交換ができる。短文で用件だけを投稿するときは、誤解が生じないように笑顔のスタンプを使うといったやり方もできる。これはPCではなかなかできません」

たとえばこの2月、柴田さんは米ニューヨークで期間限定の複合店「ニッポニスタ」を開くというプロジェクトを率い、成功させた。関わったのは食品、婦人、美術などさまざまな部門から集められたメンバーだ。彼らのうちからテーマに応じて数人ずつのグループをつくり、LINE上で打ち合わせの設定や意思決定などを進めてきた。

全員参加のグループとしなかったのは「プロジェクトの主要メンバーは8人ですが、全員で共有すると時間調整などが難しい。LINEのグループで最適なのは4人くらい」という判断からだ。

以上の話から、PCメールやLINEの効果的な使い分けを考えてみよう。柴田さんや矢島さんの例にあるとおり、社内の同じチームやプロジェクトメンバーなど3~4人の少人数で連絡を取り合い、意見交換をするにはLINEが向いている。

一方、PCメールは、顧客や取引先への信頼性や保存性、検索性といった面で依然としてビジネスユースの主役である。スマホは、外出先などでPCを補完する役割だ。

FBに関しては、中村さんや柴野さん、矢島さんが口をそろえるのが「最近は仕事上の問い合わせを受け付ける回数が増えた」ということ。事実、今回の取材はFB経由でお願いしたものが多かった。ビジネスにつながる可能性もある緩やかな社外人脈の形成や維持に、まずまず役に立つツールなのである。