――12年に出店した上海高島屋は苦戦が続いている。
【木本】いま好調なシンガポール高島屋も10年間は赤字にあえいだ。現在、トライアルアンドエラーを重ねながら、MDの修正をかけている。当初、高めに設定していた価格も見直した。安くするのではなく、幅を広げてマーケットに対応させていく。上海は市場の伸びが7%以上ある有望なマーケット。10年ほどで黒字に転換したい。再来年夏に開くベトナム高島屋は、シンガポール同様、百貨店と専門店の2本立ての構成で大家としての事業収益がある点も同じ。黒字化は早そうだ。水面下で別の国への進出も検討している。
――前社長の鈴木弘治氏は代表権のある会長に就任。会長と社長の役割をどう棲み分ける?
【木本】鈴木はグループ全体の経営を統治し、私は百貨店の営業改革を中心に経営を執行する。これまで鈴木が両方を担っていた役割を分けることで全般のスピードを上げていくのが狙い。去年、国内百貨店業の営業収入は7600億円だったが、110億円の利益しか計上できていない。収益基盤を高めていくのが私の最大のミッションだ。
高島屋代表取締役社長 木本 茂
1956年生まれ。79年横浜市立大学卒後、横浜高島屋入社。特選品売り場、食料品バイヤーなどを経て、2006年高島屋横浜店副店長、07年新宿店副店長、10年新宿店店長。11年常務取締役企画本部副本部長。14年より代表取締役。
1956年生まれ。79年横浜市立大学卒後、横浜高島屋入社。特選品売り場、食料品バイヤーなどを経て、2006年高島屋横浜店副店長、07年新宿店副店長、10年新宿店店長。11年常務取締役企画本部副本部長。14年より代表取締役。
出身高校:海城高等学校
長く在籍した部門:営業・コーポレート
座右の書(または最近読んだ本):組織力、チームワークをテーマにした本
座右の銘:一枚岩の団結
趣味:ゴルフ、スキューバ
(三田村蕗子=構成 大槻純一=撮影)