課長のように細かく指示した

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世界初の感情認識パーソナルロボットPepper(ペッパー)

開発に際し、孫社長はデザインやしぐさ、アプリケーションの機能まで、「まるで課長のよう」に細かく指示したという。

「細部まで手を抜かずにこだわれるかどうか。その差が感動を生むと孫社長は理解していますから」(ソフトバンクロボティクス代表取締役社長 冨澤氏)

デザインは何百種類も検討した。映画『スター・ウォーズ』の「R2-D2」のように人型ではない案もあったが、技術的要件や安全性などを考え、社員の投票などで今の形に決まったという。「まあ、社長が1万票を持っているんですが」(冨澤氏)。

「身長120センチ」という大きさも孫社長が決めた。「人間の形をしているほうが家族の一員として感情移入しやすい」(孫社長)。目指したのは、ソニーのペットロボット「AIBO(アイボ)」ではなく、人型で等身大の「アシモ」だ。「おもちゃではなく本格的なヒューマノイドに挑戦したかった」(冨澤氏)。この高さならセンサーで周囲の状況を把握しやすく、大人とも子供とも目を合わせて会話できるなど、技術的なメリットもあった。

ペッパーの足元は車輪で動いており、2足歩行はできない。

「2足歩行も検討したが、かなり初期の段階で切った」(冨澤氏)。車輪より不安定になってしまううえ、バッテリー稼働時間が激減するためだ。表現力を高めるため、胸にはタブレットを搭載。感情を色や映像で表したり、カメラで撮影した画像を見せたり、学習用アプリで教材を表示するなどの使い方を想定している。