では、人はどういうときに物事に集中し、注意を払うのでしょうか? それは珍しいものを見たとき、プレッシャーを感じているとき、そしてあるものが自分の興味のあるものと結び付いた、つまり連想でつながったときです。

たとえば、ベルギーやフィンランドの地図をすぐには描けなくても、ブーツを連想させるイタリアの地図は描けるでしょう。歌や歌手で昔の記憶を思い返したり、食べ物の匂いで家族を思い出すこともあります。

この連想を利用した記憶法を試してみましょう。ランダムな7つのものを想定します。ベッド、魚、カーペット、ドレス、犬、車、テレビ。これを一度に頭に入れるのは難しい。

しかし、あえて馬鹿馬鹿しいほどオーバーな想像力を働かせると、すぐに覚えることができます。

まず、自分の家のベッドを思い浮かべてください。そこに巨大な魚が横たわっている光景を、ぬめぬめした胴体と一緒に想像してください。次に、カーペット代わりにペチャンコになった魚がリビングに敷いてある光景を、次に自分がドレスの代わりにカーペットを体に巻いて家を出る姿を想像してみましょう。このとき、脳裏に思い浮かべるものは一度に1つだけ。その「前」のものは思い出さないでください。

続いて、ピンクのドレスを風にヒラヒラさせた犬、さらにブルドッグが運転するBMWをイメージします。そして、高速道路を運転中の車の横に、巨大なテレビが伴走している光景を思い浮かべてください。

こうすると、最初にベッドを思い出せば、後はすべて連想で思い出せるばかりでなく、テレビからベッドまで逆に遡ることもできます。もし忘れた個所があったら、そこの結びつきが弱かったということ。もう一度強化しておきましょう。