詐欺犯は「7つの習慣」のメソッドを使った
詐欺師が使っている手法は、ものの見方に色眼鏡をかけさせるやり方である。
今は情報化社会である。昨今のベネッセの名簿漏えい事件が大きく取りざたされたことからもわかるように、多くの人が個人情報などの漏えいに敏感になっている。
もし自分が漏えいに加担をしたなら、大きな罪が伴うという意識を持っている。そこで詐欺犯らは、消費者らに「情報は秘匿するもの」という眼鏡を心にかけさせたうえで「違反したら、損害賠償を請求する」と脅してくる。これにより、消費者らは、誰にも相談できない状況に追い込まれてしまうわけだ。
心の眼鏡について、的確に説いているのが、 スティーブン・R. コヴィー著の「7つの習慣」である。ここには人がものを見る時には、ある種のレンズのような物(パラダイム)が存在し、それが自らの認識や行動、態度を決めていると書かれている。
パラダイムとはモデルや地図のことで、私たちは、あるがままに物事を見ていると思いこんでいるが、実際には社会の中で条件づけされたレンズを通して見ており、これが私たちのすべての行動を方向づけているというのだ。
前出のロト6にからむ詐欺師たちは自分たちに有利になるようなレンズ(情報の守秘義務)を相手の心にかけさせて、繰り返し金を騙し取っているのだ。