しかしながら、こうした必置義務付きの資格は決して難関ではなく(合格者を絞りすぎると産業活動が止まってしまう)、人材も急速に飽和していく。このため、販売士などほかの専門資格や知識や理論を加えておかないと神通力に陰りが出てくることを覚悟しておくベきだろう。

そのほかに、これからビジネスで役立ちそうな新資格としては、プロジェクトマネジメント関連が挙げられる。複数の人材が集まったプロジェクトを計画してリードしていくスキルを認定するもので、ビジネスの複雑化、高度化、大型化にも対応できる専門的な人材になれるわけだ。

国内では日本プロジェクトマネジメント協会がプロジェクトマネジメント・コーディネータから始まる4段階の試験を実施している。海外でも、アメリカに本部を持つPMIがPMP(プロジェクトマネジメントプロフェッショナル)を実施しており、国内にも日本支部がある。

試験は日本語でも可能だが実務経験が必要など敷居は高い。しかし、「プロジェクトマネジメントに関する資格のデファクト・スタンダードとして広く認知されており、(中略)IT・建設をはじめとする多くの業界から注目されています」(PMI日本支部のホームページより)という。

認知度は決して高いとはいえない資格だが、ビジネスプロセスの構築やチームワークなど幅広く応用できる知識やスキルを得られるため、今後経営者を目指すホワイトカラーにとっては注目すべき分野といえるだろう。

※すべて雑誌掲載当時
※図版は『キャリア・チャレンジ2009-2010』(笠木恵司著)をもとに編集部作成