減少する若年労働力人口、増える人件費、閉まる店舗……アベノミクスによって売り上げは上がったものの、どこにもいないアルバイト。外食産業にとって死活的な問題をどう乗り越えるべきか。
多くの企業がバイト不足に悩み、同時に社員の採用費も上昇している。一方で人手不足と無縁の企業もある。
「他社は60万、70万円かけていますが、うちは20万かかってませんよ。バイトの応募もどんどんきています」
そう語るのはユウシンの國松晃社長だ。グループ企業であるマックでは取締役副社長も務める。マックはこの6月、三光マーケティングフーズより「東京チカラめし」の直営店の約8割、68店舗の売却を受けた。國松社長はカラオケに始まり、牛丼屋、ラーメン屋など、多くの飲食店再建を手がけており、新進気鋭の「再生工場」として業界の注目も高い。
「実は3、4年前には年間の離職率が75%だったんです。これではいけないと思って、店長たちとの距離を近づけるために面談をとにかく繰り返し、研修も積極的に取り入れました」
さらにはバーベキューやボウリング大会といったレクリエーションの拡充を行い、加えて無理な長時間勤務で体調を崩さないよう、しっかり休みを取れる体制も整えた。
「おかげで去年には離職率は10%まで下がりました。そうなると社員とバイトのコミュニケーションも密になります。結果として、バイトは辞めなくなるし、紹介で人も入ってくる」