あなたは、子供に何を期待しているか

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塾や習い事、受験準備、学校選びなどで、お子さんにどんな教育を与えていますか?

次に、(2)の「教育にお金や時間・労力をかけているか」を見ていこう。お金も時間・労力も両方かけている親を「超積極的」とすれば、これが3割弱。お金はかけないが時間・労力はかける「積極的/時間・労力」な親と、お金も時間・労力もあまりかけていない「消極的」な親がそれぞれ3割弱。以上が3大勢力だ。

冒頭のビジネスライクな父親は「積極的/時間・労力」のグループに入ることが多い。数値目標と期限を設定することは、本質的に自身が評価者側に回ることを含んでいる。よほど子供に対して「聞き上手」でない限り、自身の経験や考え方に基づいて評価を下してしまいがち。結果として自分がコントロールすることへの欲求が強く、かつ、子供への期待が高い親像が形成されるわけだが、ここで「期待の仕方」には2種類ある。

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ひとつは、親が子供の成績に一喜一憂しがちな、「結果への期待」。もうひとつは、本人の能力と努力を信じる「可能性への期待」。数多くの親子と一緒に受験を戦ってきた。振り返ってみると、子供を伸ばすのが後者の親、子供の成長力を削るのが前者の親だった。ビジネス経験は、評価する力としてではなく、可能性を具体化する力として発揮してもらいたいと思う。

最後に、親の受験経験と教育方針の関係について見ておこう。自身の受験を成功とする親と失敗とする親とでは、自分の学歴を超えることへの期待と、働きかけの度合いに違いがあるようだ。だが、どちらの人にも心がけてほしいのは、自身の成功や失敗、どんな勉強のスタイルを選んできたか、どんな育てられ方をしたかに縛られないことだ。

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たとえば、自分のやり方に自信がありすぎる人は、自分に限界を感じてもそれを認めるのを嫌う。勉強もしつけも、人に委ねることができず、自分がやらねば気が済まない。人任せにすることを「安易な方法」とかたくなに拒絶する人もいる。ところが、こういった人がすべて抱え込むのをやめ、子供自身や配偶者に任せたり、指導のプロを頼ったりした瞬間、子供の成長カーブがグンと上向くことがままあるのだ。

「子供と親は別人格」。働きかけ派にも待つ派にも、この真理を胸に子供の可能性の芽を育んでほしい。

(プレジデントFamily編集部=構成)
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