セブン-イレブン・ジャパンとの提携の理由
――セブン-イレブン・ジャパンとの提携により、JR西日本のキヨスクをセブン-イレブンの店に変更すると発表されました。その狙いはどこにありますか。
【真鍋】鉄道を中心としたグループ会社の経営は、決算上、運輸、流通、不動産、その他の4つのセグメントに分けています。JR西日本は持ち株会社制をとっているわけではありませんが、各グループ会社が本社の顔色を見るのではなく、自主的に、機動的に、自分で判断することと、それともう一つ、自力でできない部分は、外の力を借りること、この2つがグループ経営では大事になってきています。
セブン-イレブンさんとの提携は、当然、該当するグループ会社より相談を受けていますが、私どもが決めたわけではありません。キヨスクを運営するジェーアール西日本デイリーサービスネットという子会社が主体となりセブン-イレブンさんと提携を決めました。
なぜデイリーサービスネットがセブン-イレブンさんとの提携を決断したのかというと、セブン-イレブンさんの業界トップの商品力、品揃え、運営力、さらにさまざまなサービスを展開されていること。セブン-イレブンさんが持っている配送のノウハウ、高齢者に食を届けるというようなコンセプトを含めて、提携により鉄道をご利用されるお客様はもちろん、沿線の方々の暮らしのお役に立てるような店づくりを実現していくことで、可能性の広がり方が非常に大きいと考えています。そういうところが決断の大きな理由だと考えています。
また、これまでローカルな駅だとキヨスクを置いても、お客様が少なく、店を閉めざるをえない。ここ10年くらいどんどん売店を閉める方向で進んできました。しかし、小さなお店でも、セブン-イレブンさんの品揃え、サービスでやってみれば、経営が成り立つかもしれません。無人駅のような場所でもコンビニを置くことで、駅に人が集まってくる可能性が出てくる。そのように考えると、やはり業界トップの外の力を借りる、一緒にやっていくことは非常に大きいと思います。セブン-イレブンさんとの提携は非常にいい決断だったと思います。