なぜ「JR大阪三越伊勢丹」はつまずいたのか

――販売不振のためJR大阪駅の「JR大阪三越伊勢丹」を縮小すると発表されました。

【真鍋】できるだけ早く手を打つ必要があり、開店して1年終わった段階で対応を始めました。2年目に入ってすぐに減損処理をして、3年目からお店をどう再建するか具体的に検討を始めました。

月末からは一部のフロアを除いてお店を一時閉店します。通常の百貨店の改装のやり方であれば、たとえばフロア毎に改装する。つまり営業を続けながらやるのが普通だと思いますが、店を一時閉店して早く全面改装して、オープンするという判断をしました。そして2015年度に百貨店業として黒字化したいと考えています。そういう意味では、早く再建する。出血する部分を早く治してしまおうと判断しました。

現在、まだ発表できる段階ではありませんが、単なるリニューアルとか、改装ということを考えているわけではありません。隣接する専門店のルクアと融合するような形を目指しています。三越伊勢丹による百貨店店舗の展開を行いますが、従来の百貨店という概念とはまったく違うお店になると考えています。

三越の富裕層を中心とした美術品、工芸品などの強い分野とファッションに強い伊勢丹の双方の強みを詰め込もうとしましたが、結果としてお客様にご支持いただく品揃え、ブランドの揃え方にすることができませんでした。

出店以前から分かっていたことですが、梅田は阪急百貨店がナンバーワンの店舗を構えていて、阪神百貨店、大丸もある中で、JR大阪三越伊勢丹は品揃えやファッションブランドの揃え方など、独自性の高い店づくりを志向したのですが、全体的にわかりにくい、敷居が高いという印象をお客様に与えてしまい、ご支持をいただくことが出来なかったと考えています。