プリン体よりカロリーを減らせ!

ウナギのプリン体含量は知れている(92.1mg/100g)(※第3回参照 http://president.jp/articles/-/12666)もっとも、レバーはけっこうな数値だと思われるが、そんなもの、簡単には入手できはしない。それよりもひっかかるのは、カロリーだ。調べてみると、蒲焼きで293kcal/100gである。

先述したように、尿酸値は体重と相関関係にあるといわれている。体重を減らせば、尿酸値も減る。これは私の実体験からしてまちがいない。高尿酸血症の治療には、クスリも欠かせないけれど、まず、ダイエット。減量から始めなくては、痛風発作の呪縛からは永遠に解き放たれはしないのだ。

では、どうやって体重を落とすか。答えは単純にして明快。食わなきゃいい。絶食すれば、まちがいなく、痩せる。とはいえ、食わなければ、腹が減る。これはきつい。さらには、労働意欲が失せ、考えることがおっくうになり、カゼなどひいてしまう。すると生物の本能が覚醒して、ただちにガツガツと食い散らし、元の木網(もくあみ)となる。余談にわたるが、かつて比島(フィリピン)では戦友の死体を生のまま食いあさる日本兵がいた、という目撃談を生存者から聞いたことがあるが、理性では制禦できない怖さが食欲(本能)には潜んでいる。

旧厚生省が人体実験したところ、成人男子に必須な熱量は、一日1500kcal以上で、それ以下だと健康を害し、最悪の場合、餓死に至ることが判明。そこで減量するには、1800kcalを目標にするのだが、カロリー計算のために「食品成分表」が必要となる。私なんぞは購入し、持ち歩いていたものだが、現在では文科省のHP(ホームページ)で無料検索できる。

とつおいつ思案しつつもウナギへの想い断ちがたく、ふらふらと近所のスーパーで1パック買ってきてしまった。太らないよう、

「3分の1だけ、だからな」

と自分にいいきかせ、さて、ウナギとくれば川、さしずめ清酒は、「手取川」か「緑川」もしくは「桃川」かなあ、ともう呑む気満々である。

(佐久間奏=イラストレーション)
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