花王 vs P&G JAPAN
●P&Gが8指標中7指標で花王を上回る
堅実経営で収益面も安定している花王だが、P&Gを上回る指標は「社員の相互尊重」のみ。P&GはVorkers 全掲載企業内で総合第3位。“働きがい”追求にかけては非常に洗練された組織といえそう。「消費者こそが自分のボス」「社内の人材から幹部を育てる文化」といった社員クチコミからもそれが窺える。一方の花王は「社員の安定志向」「偉い人の言うことがすべて」「横並びで日本的」といった表現が多く、「人事評価の適正感」「社員の士気」「20代成長環境」で差が付いたのも納得。(増井)
●社員のクチコミ
・花王[総合評価:3.5]
「真面目な人が多い。執行役員、ユニット長クラスが会議でぽろっと発言したことですべてが決まる、変わる。組合がない!『給料はお客様からのお布施です』と普通に説明される」(マーケティング、5~10年、中途→退社、女性、2.6)
「新人の頃から『勝手にやってね』と大きな裁量を持たされる。一つのことを成就させるのに時間がかかり、キャリア形成は他社より難しいかも」(研究開発、3~5年、新卒→退社、男性、4.3)
「給与に差がつくのは30代後半から。マーケティングや研究などは女性も活躍できると思うが、販売や生産などには古いおじさん文化が。女性の出産育児を支援する制度は整っている」(管理部門、3~5年、新卒、男性、3.8)
・P&G JAPAN[総合評価:4.0]
「風通しがよく、入社1年目でも正しいことを言えば社長も耳を傾ける。英語で議論ができないと仕事にならない。消費者こそが自分のボス。マーケティング部門は、経営者のスキルとマーケティングのスキルの両方が身に付き、経営者となる経験が短期間で積める」(マーケティング、10~15年、新卒、男性、4.6)
「人間関係でストレスを感じることは稀。しかし、個々の仕事の責任範囲が決まっていて、積極的に助け合う意識はそう高くない。女性の比率が非常に高く、差別されることはまずない」(営業、5~10年、新卒、男性、3.8)
「マーケティングでは世界一。マーケを学びたい人にお勧め」(管理部門、5~10年、中途→退社、女性、4.9)