他人の家の「タオル」が気持ち悪い

一方、ヒロコさん(35歳・サービス業)の場合、こういうモノにも拒否反応を示す。

「腋臭や体臭より辛いのが、人様の家にお邪魔したときのタオルの臭い。お手洗いのタオルで生乾きの臭いがしたら、気持ち悪くて使えません。まあ、そこまではいいけれど、その家でお茶や食事を出されると箸をつけられないのが困ります。生乾きのタオルを使う家は一事が万事不衛生だろうから、信用できないんですよ」

辛いのは分かるが、出した料理に箸をつけてもらえない家主も、理由が分からず困惑していることだろう。

臭いに敏感な彼女たちは、自身の臭いにもことさら注意深い。

「自分の口が臭う時は、お腹が張っている時だと分かっています。きっと食べたものが消化されず、便が溜まっているんですよ。そういう時は口数が減り、喋っても息をあまり出さないようにしています。これが息苦しくて仕方ない」(前述のヒロコさん)

「腋臭の人って、自覚がないって言うじゃないですか。でも、周囲の人は相手が女だとなおさら注意しにくい。だから半年に1回は、友だちや家族に『私、腋臭じゃない? 本当のこと言って?』と聞きます。聞かれた友人たちは妙な顔して『全然臭くないよ?』と言ってくれるけれど、果たして真実なのか……。口臭も気になるので外出先では食後はもちろん、コーヒー一杯でも歯磨きします。一般的に寝起きの口臭は最悪らしいので、朝は夫のほうを見ないようにしています」(マサエさん・30歳・商社営業)

また、家に帰ってから寝るまでの間に4回歯を磨く人もいる。朝食、昼食後を入れると1日6回である。

「帰宅後すぐリフレッシュするため、晩御飯の後、入浴中、そして寝る前に。ペパーミントハーブの香りやオーガニック系の歯磨き粉だから、いい気分転換になりますよ」(ヒロコさん)

って、さわやかな笑顔をされても、さすがに引いてしまうのだ。

実際、記者は彼女たちの臭いを了解を得てチェックにしてみたが、特に口臭や体臭などは感じられなかった。臭いがしないのに「自分は臭いのではないか」と、自身の臭いについて過度に気に病むことを「自臭症」と呼ぶ。

彼女たちが優秀な嗅覚を持つ選ばれし人種なのか、単なる神経質なのか、自臭症なのかは分からない。

確かなのは、本人たちは生きづらさを抱えていることと、共生が難しい存在であること。さて、あなたにとって、スメハラ男子と臭いヒステリー女子、どちらが鼻つまみ的存在だろうか?

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