全日空・日本航空は赤字へ転落

ヤマト270億の黒字確保。陸運、鉄道は堅調
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ヤマト270億の黒字確保。陸運、鉄道は堅調

運輸は空運・海運・陸運に分けると、空は大荒れ、海は波高し、陸はほぼ平常どおりの運行といったところか。2月に空港着陸料軽減などの緊急支援要請を国交省に出した航空3社の2009年3月期は、すべて赤字に転落した。原油安も追い風にならず、昨年夏以降は旅客数が減少。10月からは国際線旅客と貨物が激減し経営を圧迫した。

全日空は前期641億円の黒字から一転、90億円の赤字を計上。6期ぶりの赤字転落で、4月からグループ企業を含む全社員3万人を対象に平均10%の賃金カットを労組に提案した。経営再建中の日本航空も、前期169億円の黒字から340億円の大幅赤字へ。自主再建路線に赤信号が灯り、新たな資金調達の検討段階を迎えた。

平均給与では空運の上をいく海運。昨年4~9月期には過去最高業績をあげたが、昨年秋からのコンテナ船や鉄鉱石船の運賃市況の落ち込みなどから、商船三井・日本郵船・川崎汽船の大手3社とも通期で減収減益となった。1~3月期は赤字転落が予想される。

世界経済の影響を基本的に受けない陸運・鉄道などの内需依存型産業は、企業間の業績のバラツキはあるもののほぼ平年並みに推移したといえよう。陸運は大手に影響が出た。利益が半減した日本通運はトラック用の軽油など燃料費用の高騰が、ヤマトHDは宅急便の荷物の取り扱い個数の減少が響いた。日本通運、ヤマト、セイノーHDと、宅配便にシフトしている企業の減益幅が大きいのが特徴だ。鉄道では、基幹の鉄道やバスなどの運輸事業はおおむね堅調だったが、小売り事業やレジャー関連事業が足を引っ張った。利益が半減した東京急行は、消費低迷による百貨店やスーパーの販売不振が営業収益減をもたらした。

不況に強いといわれる倉庫業は、9月中間期までは堅調に推移したが、10月から陸運と国際貨物の取り扱いが急減したことにより、通期では大半が減収減益となった。だが、物流合理化努力などでその幅を軽微なものに留めている。

※年収はいずれもユーレット(http://www.ullet.com/)のデータをもとに作成。純利益予想は3月25日時点の決算短信、業績予想の修正より。

(ライヴ・アート=図版作成)