保険料は世帯年収の8%も占めている。人生設計にあった保険を選び、必要以上の保障を見直すだけで、家計を多面的に改善することができる。
子供が誕生すると加入する人が多い、こども保険。大学進学など子供の教育費が高くなる時期に祝い金や満期金として受け取れる、貯金感覚の商品である。
商品選びのポイントはずばり、戻り率(保険料払込総額に対して受け取れる額。元本率ともいう)の高さにある。
表はその高率商品例。加入条件により異なるが、いずれも銀行預金を上回る110%前後の戻り率をマークしている。通常より早く10歳までに払い込み済みにすると、さらに戻り率が高くなる商品(アフラック「夢みるこどもの学資保険」)や、保険料の兄弟割引制度が利用できる商品もある(フコク生命「みらいのつばさ」)。だが、注意点が2つある。
「こうしたこども保険の子供の加入年齢制限が以前より前倒しになっていて、現在は5~7歳が主流。遅くとも小学校入学前に入るといいです」(CFP・畠中雅子さん)
もうひとつは、加入後のことだ。
「保険業界では、こども保険のことを『ドアノック商品』と呼びます。子連れの若い夫婦のお客さんに戻り率のよいこども保険をきっかけに保険商品の話をあれこれ聞いてもらいやすく、その後の、保険会社側にとってうまみの大きい死亡保険や医療保険といった商品購入にもつなげることができるから」(前出・黒田さん)
郵便局(現かんぽ生命)の学資保険も有名だが、あまり戻り率はよくない。
「窓口の担当者によって、学資保険に災害特約や入院特約などをセットで販売するケースもあります。すると、戻り率は当然悪くなる。特約が不必要なら、加入時にはずすと言うべき」(畠中さん)