恩恵ゼロの独身者と、夫が「中流」の世帯の妻は、家族手当に大反対!

●バトル1 30代男性会社員編

【賛成】(既婚)
「結婚すれば生活費が上がるのは当然。もし子供が生まれればますますお金が必要になる。会社は今後も家族手当を出して欲しい。少子高齢化は国家的な課題。会社も家族手当を増額して、子供を産みやすい環境にして欲しい」

【反対】(未婚)
「結婚していると家族手当が支給されるが、その金額が小さくない。ウチの会社の場合、扶養家族がいると、配偶者には月額1万円、子供には1人8000円出る。配偶者+子供2人の場合は合計で月額26000円になり、年間で31万2000円になる(企業の規定による)。年間31万円といえば、若手だと基本給の1ヶ月分以上になる。つまり家族手当があると、給与が13ヶ月分以上になるのだ。自分を含め社内の30代の男性の半分以上が独身で、このまま独身で生涯過ごすかもしれない。あまりに不公平な給与制度であり、手当制度だ。そもそも扶養家族の有無なんて、仕事とは何の関係もない。そこで格差を付けるのは意味がないし差別だ。廃止を求めたい」

独身者の言い分は、確かにわからないでもない。

だが、一見、不思議なのは次のように同じ妻というポジションでも、夫の給与レベルによって、家族手当支給の是非にかなりの温度差が出ることだ。

●バトル2 妻編

【賛成】(夫は家族手当をもらえる)
「家族手当を廃止する傾向があるようですが、絶対に反対です。私は結婚生活3年目の専業主婦。夫は年収700万円以上を維持してくれているのでパートで出ずにすみます。扶養家族なので、税金を払わなくても良いし、年金の保険料もタダ。夫の会社から家族手当も出る。こんなメリットを今さら手放せません」

【反対】(夫は家族手当をもらえず)
「主人は上場企業勤務ですがアベノミクスでもほとんど給料が増えません。そこで、私は正社員の口を探したのですが見つけることはできなくて、結局パートの勤務時間数を増やしました。以前は年収100万円で長時間勤務になってからは年収180万円(月収15万円)になりましたが、月給から社会保険料や所得税、住民税などが引かれるようになったため手元には12万円しか残りません。さらに痛かったのは、夫がもらっていた家族手当の配偶者分(月額1万円)がカットされたこと。夫の会社では配偶者の年収103万円を超えると、配偶者分が出なくなるのです。一生懸命働いても損ばかり。それに引き替え、旦那さんの年収が高い近所の奥さまは働いていないだけでなく、家族手当までもらえる。そんなの不平等です。こんな家族手当の基準は、格差を助長するだけです」