内定者を子会社社長に抜擢したサイバーエージェント。新人研修は1週間というDeNA。仕事の進め方が「仕組み化」されている楽天……。各社トップに、自律型人材を生み出すカラクリを聞いた。
Q. どのような人材を求めていますか?
【サイバーエージェント取締役人事本部長 曽山哲人氏】私たちは21世紀を代表する会社を創るというビジョンを持っています。そのために必要なのは、新しいものを生み出せる人材。具体的には、いままでの正解があてはまらない環境に対応できる変化対応力と、そうした環境における決断経験値の高い人材が理想です。決断経験値は入社後に積み上げていくことができるので、採用の段階では、とくに変化対応力を重視します。これをわかりやすく「素直でいいやつ」と表現していますが、環境変化が激しい業界で、過去の成功体験を捨てられないプライドの高い人はダメ。素直に自己否定できる変化対応力がある人材が欲しいです。
●決断経験値
決断を繰り返すことで人は成長できるという考え方。若手の抜擢にも積極的で、現在、新卒入社組で子会社の役員を担当するメンバーは42人。内定者が子会社社長に抜擢されたケースもある。
決断を繰り返すことで人は成長できるという考え方。若手の抜擢にも積極的で、現在、新卒入社組で子会社の役員を担当するメンバーは42人。内定者が子会社社長に抜擢されたケースもある。
【DeNAヒューマンリソース統括部長 對馬誠英氏】
意識しているのは「自走力」です。自走力とは、何か起きたときに自分の頭で考え、自分で推進していける力のこと。私たちの業界は変化が激しいので、誰かからの指示を待つのではなく、自分で回していくことができる力が非常に重要。採用においても、自走力があるのかどうか、時間をかけて見極めています。また社員には「DeNA Quality」の徹底を求めています。これはDeNAで働くメンバーが守るべき行動規範。「デライト」「発言責任」など言葉遣いは独特ですが、内容は基本的なことが中心です。
●DeNA Quality
全社員に必要な行動規範として定めたもの。手帳を配布し、定着を図っている。顧客を最優先する「デライト」、2ランクアップの目線で仕事に取り組む「全力コミット」、チームワークとコミュニケーションを大切にする「透明性」、後述する「球の表面積」「発言責任」の5つの考え方が掲げられている。
●球の表面積
一人ひとりが球のように表面積を担い、会社の代表として当事者意識を持って働くという考え方。社長を頂点とするピラミッド型の組織ではなく、新入社員も含めて自分が最後の砦だという意識を持たせる組織づくりを目指している。
●発言責任
階層にこだわらず、自分の考えを示さなければならないという行動規範。誰が言ったかではなく、何を言ったかを大切にし、正しいことさえ言えば受け入れるという文化がベースにある。
●球の表面積
一人ひとりが球のように表面積を担い、会社の代表として当事者意識を持って働くという考え方。社長を頂点とするピラミッド型の組織ではなく、新入社員も含めて自分が最後の砦だという意識を持たせる組織づくりを目指している。
●発言責任
階層にこだわらず、自分の考えを示さなければならないという行動規範。誰が言ったかではなく、何を言ったかを大切にし、正しいことさえ言えば受け入れるという文化がベースにある。