「熟練した小鳥だけが歌うとしたら、森は静まり返るだろう」という言葉もいい。誰しも未熟さを自覚すれば、うかつなことをして恥ずかしい思いをしたくないと思うもの。それでもいいから挑めというのだから、とても勇気づけられる。

次に、古代ギリシャの哲学者・セネカの名著『人生の短さについて』は、後悔しない人生を歩むためのバイブル。同タイトルの短編は50ページほどと短いが名言がギッシリと詰まっている。

中でもグサリと心に突き刺さるのが、「人生の残り物を自分自身に残しておき、何ごとにも振り向けられない時間だけを良き魂のために当てることを、恥かしいとは思わないか。生きることを止める土壇場になって、生きることを始めるのでは、時すでに遅し、ではないか」という言葉。

多くの人は、自分が本来すべきことをやらずに後回しにし、ただ時間だけが過ぎていく。日本人はよく、「引退したら○○をしたい」などと言うが、なにも老後まで待つ理由などないという、当たり前のことに気づかせてくれる。まさにこれこそが、後悔しない人生を送るための極意といえよう。『株で富を築くバフェットの法則』は、世界一の投資家であり、かつ名言家でもあるウォーレン・バフェットにスポットを当てた本。バフェットの成功法則だけでなく、さまざまな偉人たちの言葉もちりばめられている。

最も注目したいバフェットの言葉は、「並外れた結果を出すために、並外れたことをする必要はない」である。意外に思われるかもしれないが、この言葉が持つ意味はけっこう重要なものだ。手前味噌になるが、私は「ビジネスブックマラソン」というビジネス書の書評メールマガジンを毎日書いて発信している。一回一回はたいしたことではないのだが、これを毎日続けられる人はあまりいない。約10年間続けてきたので、3500号を重ねるに至った。私にとって大きな財産となっている。

投資の話で考えれば、少しずつの金利や利回りを継続することが、やがて大きな利益を生む。200%の儲けが出るなどということは、一過性であることが多い。これに対し、継続的に10~20%で運用できるだけでも、奇跡的な数字に育つ。バフェットはこれを実践して証明している。要は習慣が大切というわけであり、自己投資においても同様に考えられる。