整髪と洗髪がラク購入者の2割は女性

<strong>内山正信</strong>(うちやま・まさのぶ)●1983年、三重県生まれ。2006年3月同志社大学経済学部卒業、資生堂入社。量販店への営業を2年半つとめ、08年10月より現職。男性用ブランド「ウーノ」のチームでは最年少。
内山正信 うちやま・まさのぶ●1983年、三重県生まれ。2006年3月同志社大学経済学部卒業、資生堂入社。量販店への営業を2年半つとめ、08年10月より現職。男性用ブランド「ウーノ」のチームでは最年少。

資生堂が09年8月に発売した男性用のヘアスタイリング剤「ウーノ・フォグバー」が売れている。年間目標としていた出荷本数の240万本を発売1カ月でクリア。5カ月で500万本を突破するなど、好調な売れ行きをキープしている。

ヒットの要因としてまず考えられるのは、小栗旬、妻夫木聡、瑛太、三浦春馬という旬のイケメンをずらり揃えたCMのインパクトだ。「シュッ!」という言葉の連発で、次世代の霧状スタイリング剤という商品の特徴をアピールした。

だが、立ち上げ時のCM出稿量は「マキアージュなど他のメガブランドと比べて、特に多いわけではない」(同社広報部)とのこと。ただでさえ財布のヒモが固いご時世。購入に結びついたのは、何といっても「固めず、まとめる」という機能の新しさが評価されたためだろう。

スプレー式なので、ワックスと違って髪になじみやすく、べとつかない。ガチガチに固まらないので手ぐしも通るなど、毛流れを生かした流行の“さりげない”ヘアスタイルに適している。
この商品開発の背景には、資生堂が行ってきた綿密な時代分析、マーケット分析がある。

若い男性のヘアスタイルのトレンドは10~15年のサイクルで大きく変化しているという。それに合わせて、リキッド、ムース、ワックスと、求められるスタイリング剤も変わってきた。1996年にワックスが登場してから13年。「そろそろ次のトレンドが来る」ということで登場したのが「フォグバー」なのだ。