本業と別のことをすると会社から睨まれるというのも昔の話だ。最近、多くの会社から「うちの40代社員に複線化の話をしてほしい」とオファーをいただく。会社も、複線的な人生を歩んでいない人は本線でもロクな仕事ができないことに気づいている。むしろどんどん外に出たほうが評価されるのだ。
自分の希少性を高めるにしろ、人生を複線化するにしろ、いまいるところから大きく外に張り出すことが大切だ。なかには、いまからほかのことをするのはリスクが高くてできないという人もいるだろう。たしかに55歳を過ぎていて定年が見えているなら、会社にぶらさがって逃げ切りを狙う生存戦略もありうる。ただ、その場合もゴマスリで100分の1にならなくてはいけないし、複数の上司と関係を構築しておいたほうがいい。会社にしがみつくなら、徹底的にしがみつく。その覚悟を持った人が生き残るのである。
藤原和博氏の「2014年やるべきこと」リスト
【1】いまの自分の価値を知る
□時給を計算してみる
□自分の時給が日本全体でどの位置かを知る
□現在の仕事で100分の1の人になる
【2】付加価値をつける
□昔好きだったことを再開する
□複数のコミュニティに参加する
□利益を求めない活動をする
□現在の仕事以外の分野で100分の1の人を目指す
【3】レアな人になる
□100分の1×100分の1で1万分の1の人を目指す
□かけ算する分野を3つ、4つと増やしていく
□新しい分野に10年計画で1万時間かける
教育改革実践家 藤原和博
東京大学経済学部卒業後、リクルート入社。新規事業担当部長などを歴任後、96年同社フェローとなる。2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校校長を務める。
東京大学経済学部卒業後、リクルート入社。新規事業担当部長などを歴任後、96年同社フェローとなる。2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校校長を務める。
(構成=村上 敬 撮影=澁谷高晴)