※本稿は、藤田康男『悩みの統計学』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
「自分の理想」ばかり追いかけてしまう
▼ケース1 自分が考案したキャッチコピーの質に納得がいかない。もっと成長したいのに!
社会人のAさんは常々、時間をかけて考えたキャッチコピーを見て、「もっといい表現があったはずだ」「プロならもっと魅力的な案を出せるはずだ」と感じてしまいます。
周囲からは評価されていても、自分に合格点を与えられない。成長したいという気持ちは強いけど、その気持ちがかえって自分への不満になり、「自分はまだまだだ」という感覚ばかりが大きくなっています。
対処法 短期的に「できたこと(成長したこと)」に目を向けよう
理想を持つこと自体は悪いことではありません。むしろ理想は、人を成長させる重要な原動力です。しかし、理想の自分ばかりを基準にしていると、いつまでたっても不足感から抜け出せなくなります。
そこで有効なのが「理想の自分」と比較するだけでなく、「以前の自分」と比較する視点です。半年前、1年前の自分と比べて何ができるようになったのか、昨日と比べてどうか。どんな経験を積んだのか、それらを書き出してみましょう。
成長は「過去を振り返る」ことで確認を
過去の自分との比較は、自分の成長を客観的に確認する助けになります。
社会的比較では、人は何かと比較することで自分を評価するとされています。しかし、比較対象を常に遠い理想や優秀な他者に設定すると、満足感は得にくくなります。成長を実感したいのであれば、「昨日の自分」「過去の自分」を比較対象にすることがおすすめです。
理想と現実のギャップに苦しんでいるときは、理想を下げる必要はありません。その代わり、自分が積み重ねてきた成長にも目を向けてみてください。
理想は未来を見るために使い、成長は過去を振り返ることで確認する。この両方の視点を持つことで、前向きなエネルギーを失わずに成長を続けられるようになるでしょう。

