横山 剣
1960年、横浜生まれ。81年、クールスRCのボーカルとしてデビュー。以後、いくつかのバンドを経て、97年、クレイジーケンバンドを結成。作曲家としても、数多くのアーティストに楽曲を提供している。クレイジーケンバンドの事務所「ダブルジョイレコーズ」では代表取締役を務める。94年から8年間、輸出貨物の検査官として働きながら音楽活動を続けていたという異色の経歴を持つ。7月にリリースした「いっぱい いっぱい」が大好評発売中。9月30日より厚木市文化会館を皮切りに、全国17カ所で「NAKAYOSHI 2011」ツアーを行う。
ミュージシャンの日常はレコーディングとコンサートツアーの繰り返しです。食生活は決して豊かとはいえません。レコーディングのときは昼から町田のスタジオに入って、夜の11時、12時、遅いときは明け方まで缶詰め状態です。夕飯は近所の店から、鰻、日本そば、中華をかわりばんこにとって、30分くらいでさっと食べる。レコーディング中は食に執着はありません。ツアーで全国を回るときは、地元の友達がおいしい店に案内してくれるから、楽器担当のメンバーは遅くまで酒を飲むこともある。しかし、私を含めボーカルチームは喉をいためるわけにはいかないので、早めに帰って、ホテルで就寝。
このように、ミュージシャンの生活はいたってマジメなんです。また、私自身は酒を飲みません。昔、マジメではなかった頃、周りにいたマジメではなかった人たちに飲まされて、それから、すっかり嫌いになってしまいました。今は外食に行っても酒を飲むことはなく、ソフトドリンクです。日本でも外国へ旅行したときでも、「あらゆる食事に万能」の飲料、コーラを飲んで、食事をしています。
コーラのほかにも、ルートビア、ドクター・ペッパー、コアップガラナといった清涼飲料に愛着を感じていますね。コーラやルートビアは本牧の基地のなかのストアに買いに行くと驚くほど安かった。昔は親戚が大量に買ってきてくれました。
さて、神楽坂の「山さき」は江戸料理と鍋の店です。ご主人の山崎美香さんは私と同じ横浜の出身で、クレイジーケンバンドのお客様です。一度、共通の知り合いを通して、楽屋に玉子焼きを届けてくださいました。それがおいしくて。甘くて、しょっぱくて、僕のような労働者階級の舌にはぴったりの味です。それで、食べに行ったのですが、ねぎま鍋に入っているマグロが生で食べたくなるような質のいいもので……。個人的には、ねぎま鍋とコーラは絶妙の相性だと思います。
マリンタワーは私の地元、横浜の象徴。2009年にリニューアルしたとき、ここの関係者で、昔から世話になっている先輩に「オープニングレセプションに出てほしい」と頼まれ、見に行ったところ、内装の色使いがとても自分好みで。これはいいと思って、それ以来、よく訪ねるようになりました。その後、「マリンタワーの名誉館長をやってくれ。ついてはお勧めメニューはないか」と聞かれたので、迷わずクリームソーダにしました。クリームソーダは緑色の甘いソーダにアイスクリームがのってる、昔ながらのそれです。そういえば、ツッパリだった高校生の頃、クリームソーダを注文するとき、省略して「クソください」と言うやつが必ずいました。「クソを5つ」とか。ツッパリならではの呼び方じゃないでしょうか。