脱ルーティンのカギは「遊び心」
年齢を重ねると、日々の生活が単調になりがちです。どんな仕事も長く続ければルーティン化し、プライベートでも自分のスタイルやペースが出来上がって、変化や刺激が少なくなります。そんな毎日を退屈に感じることもあるでしょう。
それ自体は正常な感覚であり、もし人間が退屈を感じなければ、単調な日々の繰り返しのまま人生が終わってしまいます。退屈を感じるから現状に耐えきれなくなり、「何か面白いことがしたい」という遊び心が湧いてくるのです。どんなことも楽しんでしまう前向きな気持ちがあれば、普段の仕事や生活でも「こんなことをしたら楽しいかも」「あんなこともやってみたい」といった発想が生まれ、自分自身で退屈な日常を面白いものに変えていくことができるでしょう。
振り返れば私たち大人も、子どもの頃は遊び心に溢れ、ワクワクするような毎日を送っていました。かつての少年少女の心を取り戻すことが、退屈な日常から抜け出すきっかけになるかもしれません。
そこで今回は、トム・ソーヤー少年から遊び心の極意を学んでみたいと思います。
1876年にマーク・トウェインが発表した『トム・ソーヤーの冒険』は、アメリカ文学の金字塔であり、今も世界中で読み継がれる不朽の名作です。主人公のトムは遊びといたずらの天才で、彼の手にかかれば、どんなに退屈なことも楽しい遊びに変わります。
例えば悪さをした罰として、親代わりのポリーおばさんにフェンスのペンキ塗りを命じられたときも、たまたま通りかかった友人を相手に、退屈な仕事をたちまち遊びへと変えてしまいます。
黙々とペンキを塗るトムを見つけた友人のベンは、「よお、おまえ、仕事させられてんのか?」とからかいます。ところがトムは「仕事って、何が?」と返します。ベンが「それ、仕事じゃないのか?」と聞くと、トムはこう答えました。「好きでやってちゃ悪いのか?フェンスのペンキ塗りなんて、そうそうやらしてもらえる仕事じゃないだろ?」
この一言でベンは興味をそそられ、自分にもペンキ塗りをやらせてくれと言い出します。しかしトムは応じません。このフェンスを丁寧に塗れるのは千人に一人もいないとか、自分の弟もやりたがったが、ポリーおばさんが許さなかったなどと言って、渋ってみせたのです。
するとベンはますますやりたくなり、ついには自分が持っていたリンゴを全部あげるからと取引を申し出ます。こうしてトムは退屈な仕事から解放され、リンゴをかじりながらのんびり楽しく遊んで過ごしました。
もちろん、すべてはトムの作戦通りで、彼はいつも友人たちを同様の手口でペンキ塗りの罠に嵌はめていました。
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