さて、ここで主役の見つけ方をまとめておきます。
中心に大きく描かれていたら、それは主役である
さて、おめでとうございます! これであなたの絵画の見方が一つレベルアップしました。
え、なんかここまで簡単すぎる? ええ、今のところはすごく簡単だと思います。正直なところ、まだ面白さを感じないでしょう。
しかし、これは大きな変化の一歩目です。
ここから少しずつレベルアップしていきます。
ぜひ、もう少しだけ読み進めてください。
主役は1人、1つとは限らない
さて、先ほどの《モナ・リザ》から少しだけレベルを上げましょう。先ほど確認したポイントを踏まえ、主役を意識しながら図表3の絵画を見てみましょう。
この絵画で作者は何を主役としているでしょうか?
まずは先ほど見たように、大きく中心に描かれているものを探してみましょう。
すると二人が同じくらい大きく中心に描かれていることに気がつきます。あれ、主役になるのは一人じゃないの? もしくは一つじゃないの? そう思われた方もいるかもしれません。
しかし、そうではない場合もあります。つまり、複数の人・モノが大きく中心に目立つように描かれている場合もあるのです。その場合、その両者(もしくはいくつか)が主役となります。
この作品の場合、中心に大きく描かれている二人の男女が主役になります。
この作品について簡単に解説すると、この絵画は中心に描かれている、ジョヴァンニ・ディ・ニコラ・アルノルフィーニとその妻との婚姻の記録と考えられています。
婚姻したカップル2人が主役
図表4のように「ヤン・ファン・エイクここにありき 1434」と絵画の中に署名されています。ヤン・ファン・エイクというのは、この絵画の制作者です。
また制作者ファン・エイクと思われる人間(とさらにもう一人)の姿が、後ろの鏡に描かれています。この絵画は、これらの情報から制作者ファン・エイクが証人となり、とあるカップルが婚姻したことを証明する作品と考えられています。
だからこそ、この絵画の主役として描かれているのは、中心の二人なのです。婚姻証明で重要なのは、誰と誰が結婚するのかということです。この絵画もそれにもれず、二人の姿をクローズアップして構成されているのです。
さて、ここまで二つの作品を見ましたが、どうだったでしょうか。
次は、今見た二つのポイントを使って、少しマイナーな絵画を実際に読解してみようと思います。次からが本番です。これらのポイントがあると、絵画がどう違って見えるのか、実際に体験してみてください。


