自宅では3年前からカブトムシを飼っています。すでに何世代かのカブトムシを育てましたが、今は、白い幼虫でずっと腐葉土の中にいます。
あるとき、長男が「なんで外へ出てこないの?」と尋ねてきました。
「なぜだろうね?」と逆質問する僕。少し考える長男。「……(沈黙)」。そこで、助け舟。「最近ちょっと、寒いよね」。しばらくすると、長男は「あ、暖かくなると出てくるんだ」。カブトムシの成長と気温との関連に気付いたわけです。
続けて、幼虫が眠る位置について、飼育ケースを横から見ながら「なぜ土の層の中間くらいにいることが多いのかな?」と質問。首をひねる長男。「土の層の上側は乾いているけれど、下側は湿っているね」と僕。実際のところ本当の理由は僕にもよくわからないけれど、どうやら土の中の水分量もカブトムシの成長促進に影響がありそうだ、ということが子供にも何となくわかる。
そうやって「なぜだろうね」と一緒に考え、時間を共有することが大事なのかなと思っています。
宇宙の果てには何があるのか
親が知識を教え込むのではなく、遠回しに気付かせたい。そう思っている僕は、なんでもすぐに図鑑で調べさせる、ということはしていません。まずは、リアルなものに触れさせて、観察させて、疑問を持たせて、想像させたい。そんな習慣がつけば、知識は自然とあとからついてきます。図鑑を親が買い与えるのはよいとしても、リアルな体験をせず、想像もしないまま、子供がそれだけで自然や動植物を知った気になってしまうのは、なんだかもったいないような気がするのです。