あまり知られていない住宅ローンの見直し方の一つに「金利交渉」がある。金利交渉とは、現在借りている住宅ローンの金利について、銀行に金利をまけてほしいと交渉すること。最初にこういう条件で借りると契約しているのだから、それを変えてほしいと頼むのは、今までは禁じ手だった。しかし、ここ数年、金利交渉が成立するケースが出てきたのは、「銀行間の競争」が激化したためである。住宅ローン市場の競争が激しくなり、新規ローンの割引幅が大きくなってきたことで、新たなローンのほうが金利が低くなり、次々と別の銀行へ借り換えをする顧客が増えたのだ。

銀行にとって住宅ローンを借りてくれる個人顧客は、おおむね真面目に返済してくれる優良顧客である。よその銀行に借り換えられるよりも、金利を下げても残ってほしいと考える銀行が出てきたということだ。銀行にとってみれば、新規ローンの獲得と同様、借り換えローンの獲得、他行への借り換え防止は、営業上重要な事項。そこで最近では、「内緒ですけれど、割引幅を大きくしますから、借り換えせずに当行を引き続きご利用ください」と、銀行のほうから割引提案するケースも徐々に出てきている。