あくまで「予防措置」に過ぎない
さらに、第2試合が13時45分までに、第4試合が22時までに終了しない場合は「継続試合」となる。また、試合前に行う恒例の「シートノック」も、時間を7分間から5分間に短縮。実施するかどうかは各校の選択制にすることになった。
日本高野連事務局長の井本亘は「年々暑くなっているのは間違いないところだから、極論を言えば、この時期に実施するのをやめるとか、どこか別の会場で、ということになるが、1~2年ですぐ動けるわけではない。長期的な展望は持つべきかとは思うが、それとは別に、今置かれた環境でなにができるのか? 猛暑によるリスクはゼロにはならないだろうが、少しでもリスクを減らそうとの考えで、新たな施策を導入した」と語った。
暑さ対策は「喫緊の課題」ではあるが、現時点で、直ちに高校野球の現場で大きな被害が出ているわけではない。「暑さ対策」は緊急を要することは事実だが、あくまで「予防的措置」であることは認識すべきだろう。
今まで以上の熱中症対策が急務
日本全体で言えば、熱中症による死亡事故は、地球温暖化が進んだ2010年以降大幅に増加している。しかしJSPO(日本スポーツ協会)の調査によれば、学校管理下の熱中症による死亡事故は、80年代をピークとして大幅に減少している。
80年代は「練習中の給水を禁止」し「疲労困憊している選手に無理やりハードトレーニングさせる」ような指導が行われてきたが、近年は練習、試合中の適度な水分補給や、高温下での練習の中止など、適切な配慮が行われるようになり、熱中症の発症者、死亡者は減少している。軽度の熱中症は明らかに増えているが「今直ちに深刻な事態になっている」わけではない。
しかし、地球温暖化に歯止めがかからない今、従来以上の「暑さ対策」が必要との観点から、夏季のスポーツ環境について、さらなる注意喚起と対策が必要だ、として「2部制」など、新たな対策が打ち出されているのだ。応急処置的な拙速な対応ではなく、熟慮を重ねた適切な対応が必要なのだ。
