両総長に無断で開かれた「御前会議」

10日午前0時3分、天皇は皇居の地下防空施設「御文庫附属庫」に姿を見せた(宮内庁公表資料)。迫水久常書記官長は、参謀総長と軍令部総長の署名を事前に集めておきながら、両総長には無断で開催手続きを進めていた。しかも軍部には、結論を出す場ではないと説明していた。会議の開催自体が、通常の手続きでは実現できない状態だったのである。

御前会議では東郷案に鈴木首相と米内海相が賛成し、阿南陸相、梅津参謀総長、豊田軍令部総長が反対した。午前2時すぎ、鈴木首相が判断を求めると、天皇は1条件での受諾を決断した。その決断の理由を伝える言葉が、『終戦史録』所収「保科善四郎手記」に残る。

「今迄計画と実行とが一致しない」