「弱点」を見つけられるからこその脅威
4月、米国のAI(人工知能)開発企業アンソロピックは、最新推論モデルの「クロード・ミュトス」(ミュトス)を発表した。
ミュトスはサイバー・セキュリティのバグ(瑕疵)や脆弱性を探し出すことができる。そうした機能を持つAIが悪人の手に渡ると、さまざまなシステムに入りこんで弱点を見つけることができる。これは重大なことだ。そのため、アンソロピック社は、ミュトスを一般公開せず、特定の組織に絞って公開することにした。
報告によると、ミュトスは、ほとんどすべてのウェブブラウザ、オペレーティングシステム(OS)の脆弱性を瞬時に検知する。本来は、その脆弱な部分を修復することが目的だが、使い方によっては、自律的にサイバー攻撃を行うこともできる。
米欧の政府や金融機関は、ミュトスによって金融システムが混乱することを警戒して、その対応策を緊急協議した。ミュトスがいかに重大な脅威か分かる。
働き方だけでなく社会全体を変える
ミュトスの出現は、映画『ターミネーター』の世界が近づいているといっても過言ではないかもしれない。今後、さらに進化したAIが世界に広がるのも時間の問題との指摘もある。
今後、AIの発達で、社会全体は徐々に変わっていくことだろう。人間がしている仕事の多くは、機械が担うことになるはずだ。そうなると、これまでのような雇用形態にも変化が出るだろう。
また、サイバー・セキュリティは、企業だけの問題ではない。わたしたちの生活にも、多大な影響を与える。一体どういうことか、解説していこう。

