のちに反省する可愛さ
80年代に関連書籍を出版してベストセラーとなり、「有名占い師」と呼ばれるように。しかし、母はこの呼称をとても嫌がっており、名刺には「心相学研究者」と明記していました。“占い”は万人に親しみやすい入口なだけであり、根幹にある人間学を追求していた。「当たる、当たらないより心がけが大事」と相談相手に説いていたほどです。
実母の姉にあたり、「ばぁば」と慕っていた母の仕事を、小さい頃はわかっていませんでした。最もよくない運気の流れとされる時期に「大殺界だから気を付けなさい」と言われてもピンとこなかった私を、時に強引にいい方向へと導いてくれました。
最も驚かされたのが結婚です。私が中学生だった頃、母の鑑定を受けていたご夫婦に大学生の息子がおり、「この人と結婚しなさい」と言う。数年後、その息子が当時の交際相手との関係で悩み、母の下へ相談に来た。すると「その女性とは別れて、かおりに電話しなさい」と、勝手に私の番号を伝えたのです。母の言う通り電話をしてきた彼に興味が湧き、交際から結婚へと至ったわけです。これが六星占術による運命なのかは聞かされませんでしたが、まともな結婚生活を送れなかった母の、「幸せな家庭を築いてほしい」という愛情の表れだと思っています。
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(細木 かおり/文藝春秋 2025年8月号)

