勉強時間をあらかじめスケジュールに組み込んでいる人の割合は、年収500万円台で32.5%にすぎなかったが、1500万円台は48.9%(図2)。高年収の人ほど、計画的に勉強していることがうかがえる。資産運用コンサルタントの逢坂ユリ氏は、法人営業をしていたときに高年収層ほど勉強時間を予定に入れていることに気づいたとか。
「企業のトップにアポをとるとき、秘書の方を通すと断られるのに、ご本人に直接お願いするとあっさり会ってもらえることがあります。これは上の人が、自由に使える時間を勉強時間としてキープしているから。空き時間に細々と勉強するのは、下の人の発想。エグゼクティブほど最初から勉強用にまとまった時間を確保している印象があります」
では、どのようにスケジュールを組めば効率的に勉強できるのか。逢坂氏は、外資系時代の自身の勉強をこう振り返る。
「私の場合は、人が少ない早朝のオフィスで情報収集したり、お昼休みは会議室にこもって勉強していました。同僚の中には朝3時に起きて本を1冊読んでから出社するという人もいましたね」
逢坂氏のように、高年収層には朝時間を活用している人が少なくない。始業前に勉強する人の割合は、年収500万円台が約6人に1人なのに対して、1500万円台は約3人に1人だった(図3)。
短期集中とメンテナンスをうまく使い分けろというのは、前出の高城氏だ。
「いま経営者仲間で流行っているのが、プチ海外留学。ごく短期間、海外の大学で集中して学び、あとはそこで得た知識やスキルをメンテナンスするのです。これなら普段は最小限の勉強時間で済む。数日からのプログラムもあるので、忙しい人にお勧めです」
(調査概要/楽天リサーチを通じて、ビジネスパーソン999人より回答を得た。調査期間は12年6月21~24日。図は、「Q.現在、勉強しているものの数」でゼロと回答した方を省き、全体数は334人。)
資産運用コンサルタント。ニューヨーク大学卒業。モルガン・スタンレー・アセット・マネジメント、ゴールドマン・サックス証券、ドイツ証券を経て、2005年に独立・起業。現在は執筆業、資産運用やキャリアアップなどの講演・セミナーを行う。
高城幸司
セレブレイン代表取締役社長。1964年、東京都生まれ。同志社大学卒業後、リクルート入社。営業で6年間トップセールスを受賞。独立起業情報誌「アントレ」を創刊させ、事業部長、編集長を歴任。2005年より現職。営業やマネジメントの著作多数。