松本茂経営学部国際経営学科教授は「立教大学の学部の中では、就職率、また大企業への就職率ともにトップの実績を誇っている。とくに女性の総合職採用比率は高い」と語る。実際に銀行、証券会社をはじめ総合商社やメーカーなど大手企業に多数就職している。

日本HPの役員を前に緊張気味にプレゼンする立教大生。

経営学部の教育を象徴するのが、初年次から実施されるBLP(ビジネス・リーダーシップ・プログラム)と呼ぶ産学連携による課題解決型プロジェクトだ。1年生385人を1チーム4~5人の計90チームに編成。企業から与えられたビジネス課題を解決するために各チームが知恵を絞り、半年間かけて成果を競うというものだ。予選を勝ち抜いた5チームが課題を提供した企業の役員の前でプレゼンテーションを行う仕組みだ。

2012年の課題提供企業は日本ヒューレット・パッカード(HP)である。8月2日、東京都江東区にある本社の会議室で開催されたプレゼンを見学した。課題は「リアルストア出店計画を日本HPに提案する」。1年生ながら、本社の副社長をはじめ役員や社員が居並ぶ前での堂々としたプレゼンぶりには驚かされた。

内容的にも事前の調査によるテーマの絞り込み、パワーポイントを駆使したわかりやすい説明に加え、出店に要する予算や投資効果を盛り込むことも忘れないなど見事な出来映えといってよかった。また、学生の説明に細大漏らさず耳を傾け、食い入るように見つめていた日本HPの役員陣の姿がとくに印象的だった。

今回のプレゼンは前期の「リーダーシップ入門」の授業の一環であるが、後期は論理的思考力を養うディベートを実施。さらに2年次、3年次も同様の産学連携のプロジェクトを通じてリーダーシップ力をブラッシュアップしていく。

「最大の狙いはリーダーシップの育成にありますが、我々は権限のないリーダーシップという言い方をしています。部長、課長という権限がなくても、自分の強みや個性を生かしたリーダーシップを発揮するのが我々の目指しているリーダーシップです。グループワークを通じてお互いを評価しながら、自分なりのリーダーシップ像を考え、それを身につけていくことを狙っています」(松本教授)