高血糖を防ぐには「噛まずに飲み込め」
ちなみにトウモロコシ、ジャガイモ、リンゴなどもよく咀嚼することで食後血糖は上がることが、「食後高血糖を減らす簡単な方法は噛まずに飲み込むことである」という論文に記載されています(Br J Nutr. 1986 3311145)。もちろん、血糖が上がりやすいかもしれませんが、よく噛むことの利点は数限りなくあります。
白米ではなく玄米なら血糖値をコントロールする効果が高いのではないか? と考えるかもしれません。実際玄米には食物繊維と脂質が含まれており、デンプンだけの白米と比べると血糖をコントロールする効果が理論上は高いことになります。2012年に報告されている研究結果では白米のGI値が67.4に対して玄米は61.5です(Evid Based Complement Alternat Med. 2012 23304216)。さらに発芽させた発芽玄米では56.9であることが示されています。しかし話はそれほど単純ではありません。
玄米も血糖上昇は白米と変わらず
玄米であっても、すりつぶしてしまえば血糖上昇効果は白米と変わりません(Am JClin Nutr. 1980 6987860)。通常の水分量ではなくて多めの水分量で炊くとかえって血糖値が高くなります。2倍の水分で玄米を炊飯するとその血糖上昇効果は白米と変わらないことが研究で示されています(食糧:その科学と技術55、2017)。先述したように硬めのご飯はよく咀嚼する傾向になります。同じく玄米も口当たりが白米より悪いために咀嚼する回数が多くなります。さらに玄米は十分に水分を含ませて炊飯すれば白米と同程度に軟らかくなりますが、付着性(ねばり)が白米より低いため、噛むと粒がバラバラに崩れやすく、α-アミラーゼなどの酵素が各粒子に浸透しやすくなります。
繰り返しになりますが、よく噛むことが血糖コントロールに必ずしも悪いわけではありません。噛むという行動そのものは、GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)の分泌を促進する効果があります(Endocr J. 2013 23138354)。GLP-1には、膵臓に働きかけてインスリン分泌を促進する効果や、血糖を上昇させるホルモンであるグルカゴンの分泌を抑制する効果があります。また胃から腸への食物の移動を遅らせることで満腹持続効果を発揮し、間接的に食事量を減らし、血糖コントロールには良い作用を示します。
なお大麦(押し麦)などをご飯と一緒に炊く雑穀米はβ-グルカンなど水溶性食物繊維の作用で食後血糖の上昇を緩やかにする効果が期待できます。玄米にする場合は、水分量を通常量でいつも程度によく噛むこと、白米の場合は雑穀などを入れることはおすすめです。

