記事によると、総統府や政府高官を警護する憲兵大隊に所属していたある軍曹が、2022年4月から約2年にわたり、中国のスパイとして活動していたという。

きっかけは借金だった。資金繰りに窮した軍曹がネットで融資先を探していたところ、中国の工作員が接触してきた。「携帯電話で機密情報を撮影するだけで金を得られる」と誘われたのが、2年間にわたるスパイ活動の始まりとなった。報酬は暗号資産で支払われ、機密度が高い情報ほど金額も上がった。

軍曹が提供した情報は、総統府に勤務する政府職員の氏名と顔写真、警備員の名簿やコールサイン、業務訓練資料など広範囲にわたった。台北に位置する淡江大学の安全保障の専門家は同紙の取材に対し、こうした情報は中国が「大きなパズルを完成させる」ために利用できると指摘する。末端の情報員から断片的な情報を積み上げれば、台湾の防衛体制の全体像を把握することが可能だ。