リベラルに決定的に足りなかった知見

左派・リベラル勢力は、いわゆるジェンダー問題や反貧困のような若者特有の教条主義的な活動を除けば、労働組合を含めて本当に高齢化してしまいました。個別に見ていけば大事なこともたくさん主張していると思うのですが、肝心の、生きていくための政策、経済とか生産性とか税制とか外交政策とか、そういう政権担当能力を構成する知見が不足しているのがリベラル勢力の特徴と言えます。

原発事故が起きたら全部原発止めちゃうとかさ。思い返せば安倍晋三政権の反安保法制で名声を高めたSEALDs以降、若者も含めて政治参加を実現できた国民運動的なものは影を潜め、政治的な成功を収めることはありませんでした。このことは特筆されるべきです。

また今回の選挙は「高市」か「NO高市」かという信認選挙の様相を呈しており、具体的で有効な政策が争点として不在のまま、印象と感情でなんとなく消極的支持が与党側に流れるという元祖ポピュリズム選挙のような状態になってしまっています。

で、これから日本はどうなるんだっけ

選挙戦を間近で拝見している私ですら、これってどういう選挙なんだっけと思ってしまうぐらい、国家観や社会をどうするか、成長戦略は、私たちの老後は、子育ては、少子化や外国人の皆さんをどうするのかといった、日本が進むべき道筋の具体論があまり見えてこない選挙になっています。

あえてそれを言わないで争点を全部潰したのは高市政権の戦術ではありましたが、そこで明確な対立軸を打ち出せなかったのは野党側というよりもむしろ既存マスコミだったのではないかとすら思います。「物価高」という争点の設定は、あまりにも大雑把すぎたのではないでしょうか。

2月8日の夜、開票速報を見ながら私たちは何を思うのでしょう。勝った負けたの数字を追いながらも、ふと『で、これから日本はどうなるんだっけ』という問いだけが宙に浮く。そんな選挙を、私たちは選んでしまったのかもしれません。

投開票日当日は非常に寒く、雪の降る地域も多いとのことですので、期日前投票も含め、皆さまお気をつけて投票所まで足をお運びください。

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