通貨価値と投資家の視点

日本円は、ここ数年は概ね1ドル140〜150円台で推移しており、円安が続いている。かつては円高に苦しんだ輸出を主軸とするメーカーも、今ではこの円安を歓迎し、それが株価上昇の要因となっているという見方もある。

自国通貨の価値の下落はいかなる理由であれ好ましくないし、私のこの考えは常に変わっていない。理論的には、通貨価値が下落すれば輸出企業にとっては競争力が高まり、短期的には利益を上げやすくなることもある。

つまり、一部の輸出企業は得をするかもしれないが、消費者全体、特に中間層以下の人々にとっては痛手となる。結局のところ、「短期的な利益の裏には、長期的な痛みがある」ということだ。これは今の日本経済にも当てはまる現実である。円安を日本人が喜ぶということは、本当に愚かな行為なのである。