未来は予測できない。だが歴史は繰り返す。そうした経験則によって100年後の未来を予測しようという本だ。ベースにあるのは地理的条件から政治や経済の現象を読み解く「地政学」。著者は、米国の成長の理由を、アジアとヨーロッパを繋ぐ場所にあったからだと説明する。
商売に没頭すると、目の前の現場現実が第一となりがちだ。だが世の中は数十年の単位で大きく変化していく。たとえば日本はこれから人口減少という課題に直面する。市場縮小の危機だが、減り方には地域差があり、戦い方はある。変化という濁流にのみ込まれるのではなく、それをいかに乗りこなすか。物事を俯瞰して捉える癖をつけるうえで、本書の示唆は役立つ。